心筋梗塞からのサブ3

心筋梗塞発作、ステント留置術後に、フルマラソンをサブ3できるかを綴るブログ

BNP

BNP

3ヶ月に一度の血液検査で気になるのは BNP の値である。上のキャプチャは10月の検査結果だが、正常値 18.4 以下に対して 72.8 である。退院後 28.7 からじわじわ上昇してして昨年 10 月に 72.8 になり、そして昨日 は 7.9 まで下がっていた。これはなにか原因があるに違いない、ということで調べてみた。

まず BNP というのは、Brain Natriuretic Peptides の略で、心臓に負担がかかると分泌されるホルモンらしい*1。72.8 は直ちに問題となる値ではない。

昨日の値が正常だった原因として思い当たるのは、先月のレースで右ふくらはぎを肉離れし、その後3週間は休養して、ジョグは再開したもののリハビリ途上で、昨日までまだポイント練習は行ってない点である。

なので、「ポイント練習すると BNP があがるのでは? 」と推測して google ってみたら、「大学生長距離ランナーにおける脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)」*2という論文が見つかった。スポーツ心臓と考えられるけど健康であるアスリートが 30km 走したら BNP がどう変化するかを調べているが、結果としては、上昇は見られるけど軽微で正常範囲内になっている。ポイント練習すると BNP が異常な範囲まで上がるという話ではないっぽい。

ところが、この論文で引用されている「Augmented Secretion of Atrial and Brain Natriuretic Peptides During Dynamic Exercise in Patients With Old Myocardial Infarction.」*3 によると、心筋梗塞経験者 (陳旧性心筋梗塞というらしい*4 )は健常者に比べて、強い運動後に BNP は顕著に上昇するらしい。

つまり(陳旧性)心筋梗塞の患者である私がポイント練習したら BNP が異常なレベルまで上がったのはそういうものらしい。ただ「健常者には見られないレベルでホルモンがでてる」ということはわかるけど、だからどうすべきかというのはわからない。

ちなみにトレーニング内容と BNP の値は次のとおり。

日付 BNP 4日前 3日前 2日前 1日前
2022-01-07 55.2 8.1km + 1km rest rest rest
2022-07-08 61.8 1000m + 6000m + 1000m rest rest rest
2022-10-07 77.8 1000m + 6000m + 1000m rest 10km jog rest
2023-01-06 7.9 20km jog rest 20km jog rest

20km jog は楽なメニューではないけど、心臓への負荷は低いのだろうか。次回の検査前にはスピード練習していると思うので、そこで値が変化するか見てみたい。

心筋梗塞で制限されること

心筋梗塞の手術 (ステント留置) を行っても献血はできるのか?答えは No らしい。

特定の病気にかかったことのある方|献血をご遠慮いただく場合|献血の流れ|献血について|日本赤十字社

心臓病
急激な血流変化によって悪影響が出るのではと予測される方。

具体的には、今までに心筋梗塞狭心症があった方、弁膜症、心筋症、治療を必要とする不整脈のある方が該当します。また、リウマチ熱で心障害の疑いがある方、その予防にペニシリン投薬を受けている方もこれに該当します。

10 年ほど前に父親が輸血したのをきっかけに、機会があれば献血をしていたが、大変残念である。過去 21 回献血したが、これで終了ということになる。

骨髄バンクのドナーはどうだろうか?骨髄バンクも、答えは No らしい。

https://www.jmdp.or.jp/reg/about/requirement.html

ドナー登録できないケース
(略)
悪性腫瘍(がん)、膠原病(慢性関節リウマチなど)、自己免疫疾患、先天性心疾患、心筋梗塞狭心症脳卒中などの病歴がある方(※治癒している場合も含みます)

私はドナー登録済だが、Web での登録変更手続きには登録後に発病したことを通知する手続きはないようだ。
ドナー候補となった後に、やっぱりダメってことになるのだろうか。
(2022-11-04 その後、オンラインでドナー登録解除ができることがわかったので、ドナー登録解除)

続いて、マラソンレースはどうだろうか。

ハセツネCUP エントリー方法|ハセツネ(長谷川恒男)カップ 日本山岳耐久レース

3. 私は、心疾患・疾病等なく、健康に留意し、十分なトレーニングをして大会に臨みます。傷病、事故、紛失等に対し、自己の責任において大会に参加します。

日本山岳耐久レース」通称ハセツネだが、「申し込み規約」に「私は〜心疾患なく〜大会に臨みます」と、「心疾患」と明記されている。やはり、心疾患があった場合、大会に申し込めないという意味になると思われる。私は、毎年参加していたが、もう申し込めないのだろうか。

しかし、その他のマラソンレース、東京マラソン富士登山競走、北丹沢山岳耐久レース、勝田全国マラソンなどを調べたが、こういう制限はないようだ。

日本陸連の医事委員会が作成した「市民マラソン・ロードレース申し込み時健康チェックリスト」というものがあるらしく、それには、

(A)下記の項目(1~5)のうち1つでも当てはまる項目があれば、レース参加の可否に
ついて、かかりつけ医に良く相談してください。かかりつけ医の指導の下、検査や治療を受けて下さい。レースに参加する場合には、自己責任で行って下さい。
1.心臓病(心筋梗塞狭心症、心筋症、弁膜症、先天性心疾患、不整脈など)の診断を受けている、もしくは治療中である。

と書かれている。このように、事前チェックリストに、医者に相談の上決めるように書かれている大会は、UTMF やハイテクハーフなど、多いようだ。

ということで、心疾患やると、献血等はできない、マラソンレースはハセツネだけは出られなくなるのかもしれない。

(2022-11-04 追記) 板橋シティマラソンの申し込み規約にはハセツネ同様に「参加者は、心疾患・疾病等が一切なく、健康に留意し、十分なトレーニングをして大会に臨みます。」と書かれていて、開催要項を確認すると、参加資格に「日本国内に居住している方で、19歳以上(大会当日)で、健康かつ心疾患がなく競技に耐えうる体力がある方」とある...

血圧測定あれこれ

退院後に行うこと - 心筋梗塞からのサブ3

しかし、HealthPlanet のアプリのグラフは正直見づらい。ぱっと見て、血圧が高いのか低いのかわからない。小さく表示された数値を必ず読む必要があるし、平均値なども表示されない。医者に見せる時用に、ブラウザ版などで別のリポート機能があるのかと期待したが、それもなかった。これなら、表計算ソフトに入力したほうがマシに思える。別のサービスに乗り換える予定である。

と書いたが、タニタHealthPlanet から Withings に乗り換えてみた。

移行の手順は、Health Planet から Withings にデータ移行 に記録しておいたが、APIcurl で叩くというプロ仕様の手順となっている(私の本職はプログラマー)。こういう作業に不慣れな一般の方は、こういう場合どうしているのだろう。Apple Health に蓄積することができれば、それを経由してデータを移行できると思われるが、Android ユーザは、現在のところ HealthPlanet は Google Fits とは連動しないので、これといった移行方法はないのではないか。実際、ネットで検索すると、

retu27.com

こういった悲鳴がみられる....

それはそれとして...

グラフ表示を比較してみる。HealthPlanet のグラフ表示は、

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グラフ @ HealthPlanet

Withings のグラフ表示は

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グラフ @ Withings

となる。

HealthPlanet は Y 軸の高さが選択期間の max - min 固定である。このアルゴリズムでは、だれのグラフを見ても、Y 軸いっぱいに変化している同じようなグラフとなるはずだ。つまり、医者がいろんな患者のグラフを見た場合、このグラフではぱっと見ではなんの情報も得られない。いっぽうで Withings は、ぱっと見で大きく変化したのかしなかったのかがわかるように、Y 軸の高さが適切に選択されている。また、平均、最大、最小といった統計値にもすぐにアクセスできるし、血圧のグラフはカラーにより異常かどうかを示していて、大変わかりやすい。体重のグラフは、上記は比較のためにシンプルなものを表示しているが、以下のように、標準体重をガイドとして示したり、平均変化を示す補助線を引くこともできる。

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体重グラフ2 @ Withings

最後に、ランニングはどうして心筋梗塞によくないのか - 心筋梗塞からのサブ3 に書いたが

毎朝測定している血圧測定の結果をドクターに見せた。上が 120〜130 下は 80 前後という結果から、もう少し下げましょうということで、テルミサルタン錠が 20mg から 40mg に増量された。

この結果血圧が変化するか気になっていたので、これを確認してみる。

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血圧変化

左が 4 月、右が 5 月である。テルミサルタンは 5/10 より増量したが、このように、血圧が変化して正常な範囲にとどまっていることが、グラフで確認できる。ドクターすごい。

ランニングはどうして心筋梗塞によくないのか

退院から1ヶ月後に、検査 (血液と心電図) と診察を行った。

ドクターから CPX検査 も含めて、検査結果には問題がないという説明を受けた。退院後に行うこと - 心筋梗塞からのサブ3 にも書いたが毎朝測定している血圧測定の結果をドクターに見せた。上が 120〜130 下は 80 前後という結果から、もう少し下げましょうということで、テルミサルタン錠が 20mg から 40mg に増量された。続いて、私からドクターへの質問タイムである。

ひとつめは、ふだんの胸の痛みである。ふだん胸が痛むことを告げると、「痛みありますかー」と残念な感じの反応だった。手術直後の心臓の動画を再生し、発作と手術による心臓のダメージはまったく見受けられないという説明があった。「元々問題があったか、ステントを残留したことによる反応のどちらか」という話である。自分としても、もともと痛みはあり、それが心臓の痛みとは知らず、今回発作により診断されて初めて心臓の痛みだとはっきり認識したので、元々問題があったという説明は腑に落ちる。「痛みを感じたら、ニトロを飲んでみてください」と言われた。これは、狭心症どうかを判断する材料になるのだろう。

ふたつめは、ランニングがどうして心筋梗塞によくないのか、である。これはずっと聞きたかったこと。運動時に不整脈などの問題があれば、もちろん運動は控えるべきだけど、そうではない場合、どうして運動を控える必要があるのだろうか。心筋梗塞のメカニズム (冠動脈にプラークができ、そのプラークがなにかの拍子にはがれ、冠動脈が詰まる) を考えると、激しい運動による血管への負荷や脱水状態により、発作の原因にはなりえるが、根本原因には関係しないのではないか。

ドクターの回答は「運動により血圧があがるから」だった。

ランニング → 血圧上昇 → 血管にダメージ → 心筋梗塞のリスク上昇

シンプルすぎて唖然とした。「血圧下げるために食事も制限していますし、ストレスで血圧あげないように注意しますよね、それといっしょです。」 この説明には納得せざるをえない。ランニングは心筋梗塞によくない。ドクター曰く「ランニングしても良いですとは言えない。」

で、私自身、ランニングはどうするのか。この検査と診察の日の夜から MxK 練習会 を復活するつもりで、スピード練を再開する予定にしていた。ドクターの説明がクリアすぎてショックだけど、あとでよく考えることにして、この日からスピード練を再開し、 2000m x 3 の練習を行った。

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結果、設定ペースを十分に下げて余裕をもって走るつもりだったのに、とてもきつく感じられた。通院の疲れもでたのか、この日は本当にヘトヘトだった。

退院後に行うこと

退院後に行うこととしてドクターに求められたことは、このブログのテーマである運動を除くと、食事の制限、服薬、血圧の記録である。

食事の制限については、減塩が必要ということで、醤油は塩分カットのものを2種類用意し、使用量も控えている。もともと濃い味が好きだったわけでもないので、とくに苦にはなっていない。また、入院前は朝晩の2食だったが、2食より3食のほうがよいということで、3食にすることにし、あまり食べていなかった野菜の量も増やした。そして、問題はビールである。一日 500ml 以下にする必要があるそうだ。350ml 缶を 6、7本飲んでいた私からすると、500ml では、ぜんぜん足りない。まぁ、血液検査での肝臓の指標、AST、LD、γ-GT は悪かったし、減量にもなってマラソンのためも良いだろう、と思うことにて 350ml x 2 に減らしてみている。

服薬は、

バイアスピリン 100mg
エフィエント錠 3.75mg
テルミサルタン錠 20mg → 40mg
アトルバスタチン錠 5mg
ネキシウムカプセル 20mg

を毎朝服用する。加えて、発作が起った時用のニトロベンが処方されている。テルミサルタンは、一ヶ月後の診察 の際に、血圧をもう少し抑えましょうということになり、20mg から 40mg に増量になった。

毎朝血圧を測定するよう求められたので、血圧計を購入して、毎朝測定している。ついでに体重と体脂肪も測定し、後述するスマホアプリに手入力している。

血圧計は、Bluetooth 付きのものなどもっと高機能ものもあるが、機能はシンプルだけど、カフがしっかりしていて測定しやすそうだったので、パナソニックの血圧計 EW-BU16 にした。母親も、ちょうど血圧計を買おうとしていたところだったようなので、同じものを送付しておいた。

アプリについては、測定後に医者に見せるというユースケースも想定すると、日本でみんなが使ってるものが良いだろうと考えて、国内メーカーで、かつ、手入力や API をサポートするタニタHealthPlanet にした。

しかし、HealthPlanet のアプリのグラフは正直見づらい。ぱっと見て、血圧が高いのか低いのかわからない。小さく表示された数値を必ず読む必要があるし、平均値なども表示されない。医者に見せる時用に、ブラウザ版などで別のリポート機能があるのかと期待したが、それもなかった。これなら、表計算ソフトに入力したほうがマシに思える。別のサービスに乗り換える予定である。

CPX 検査とジョギング再開

発作の日 - 心筋梗塞からのサブ3 の続き

退院から 5 日後、心肺運動負荷試験 (CPX) を行った。前回記事 でも書いたが、CPX は、心肺負荷をかけたときに心肺機能に異常が出ないかを調べる試験で、AT (無酸素性代謝閾値) や VO2max (最大酸素摂取量) も測定する。この試験の結果、「この心拍数以下でこの時間」といったリハビリにおける運動強度を決めていくことになる。

私は、この CPX によって自信を取り戻し、ランニングを再開していこうと考えていた。自己ベストを狙えるぐらいの状態の時に発作になり、入院中運動できなかったけれど、一週間の入院ではそこまで機能が低下した感覚はなかったので、最大酸素摂取量は 50 〜 60 ぐらいは出ると考えていた。

しかし実際に検査をしてみると、測定時間が長く感じられた。最大心拍というより足に疲労がきてオールアウトした感じになってしまったので、「もっと最初の負荷高くしてくれれば良かったのにー」などと思った。結果は、最大心拍数 167 で、AT 102、VO2max 47.3、心電図に異常が見られなかった。検査技師曰く「VO2max もよいので、心拍数 102(=AT) 以下で、30 分間運動しよう」ということになるそうだ。

しかし、この結果は、「30 分間ウォーキングに近いジョグなら OK」ということにしかならず、サブエガを目指していた自分には、むしろ運動を禁止されたに等しいぐらいの負荷である。それよりも、発作の日の練習会での心拍数は 180 を越えていたのに、どうして 167 でオールアウトしてしまったのか謎で、VO2max もサブ3ランナーとは思えないぐらい低くショックである。しかも、検査に立ち会ったドクターによれば、オールアウトする前に血圧と血中酸素濃度の低下が見られたということだった。これは、そのドクターの仮説では「自律神経が追い込めない状態なのでは」という説明だった。

この結果を受けて私はどうすべきか。私のような疾患がある場合に運動を控えるもっとも典型的な理由としては、運動中に不整脈がでるケースであるが、すくなくとも今回の CPX 検査では、私はそのケースに該当していない。私も、不整脈があればきっぱりマラソンをあきらめるつもりである。しかし、そのような問題はないと想定される私は、なぜランニング練習を控える必要があるのだろうか。この当時はその理由がわからないまま、ジョギングを再開することに決めた。

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発作の日

その日、2021年4月2日金曜日は、オフィスで勤務した後、代々木公園に移動して Team MxK の練習会に参加した。この日は集中して仕事ができた記憶がある。

練習会のこの日のメニューは 2km x 3 で、自分はグループCで 3'45"/km 設定だった。この日までの2週間ぐらいは調子が上向きで、ラストのフリーでグループトップをとることもあった。また、時期としてシーズンの境目で、そろそろ練習メニューを見直そうなどと考えていて、この日はその節目となる日と捉え、良いイメージを作っておくために、グループトップをとるためなら、100% 追い込むことを決めていた。

練習は順調に進み、ラスト 1km でフリーとなった直後、他のランナーがペース変化させたがそれにきちんと反応でき、トップより少し後ろで様子を見ながらじわじわとペースをあげていき、最後は (たぶん) グループトップをとることができた。最後の 80m ぐらいで酸欠で腕が少し痺れる感触があり、これは練習では珍しいので、いつもより追い込んでいたのかもしれない。ラスト 1km は 3'24" だった。

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その後、ランニング仲間とシャワーを浴びた後に自宅に向かったが、帰宅途中、背負っているリュックが異様に重たく感じ、そのうちに背負っていられなくなって手に抱えて移動していた。あとから思えば、これが異常の始まりだった。電車の車内でも、肩が凝っているし、食道あたりが違和感あるので、風邪かコロナかもしれないと思っていた。自宅の最寄り駅に到着した時には、相当体調が悪いとは思っていたけど、足は動くのでいつもどおり階段を駆け上がったところ、胸が強く痛みだした。改札を通過して、駅からしばらく歩いたところで、痛みが尋常ではなくなりうずくまってしまった。妻に電話して、迎えに来てもらうことした。妻が来たら一緒に病院に行こうと思っていた。

10 分ほどで妻が到着し、タクシーに乗り込み、運転手に「救急やっている病院に行きたい」と告げたら、「救急車を呼べ」と言われて乗車拒否されてしまった。しかたなく自分で 119 して、救急をやっている病院を尋ねてみたが、教えてくれない。救急車出動するか尋ねられたが、大丈夫だから要らないと断ってしまった。

この様な状況で、すぐには救急車を要請しなかった。少し痛みが収まったので、自宅方向に歩き出したが、途中で再び激痛となりうずくまってしまった。それを見ていた通りすがりの男性と妻に説得されて、ようやく救急車を要請した。救急車到着時には症状が収まり、ストレッチャーに載せられた後は症状が悪化することはなかったので、自分では食道炎ではないかと考え、救急隊員に「お騒がせして申し訳けない」と思っていた。病院に到着後も自分は食道炎かなにかだと考えていたが、血液検査で心筋梗塞の反応が認められ、ICU で経過観察となった。翌朝、カテーテルによる検査、梗塞が見つかれば手術ということになった。

手術では左冠動脈の 6 と 8 と呼ばれる場所の間で血流がほとんどないことがわかり、バルーン療法を行い、ステントを留置することになった。手術後の心臓の動きは良好で、梗塞によるダメージはほとんどなく「かすり傷程度」とドクターから説明を受けた。この後1週間ほど入院となった。

手術となった時には、心筋梗塞ならばランニングはもうできないかも、と頭をよぎり、実際に心筋梗塞とわかった時には、もう走れないと絶望した。しかし、手術後にドクターから、「CPX 検査」と呼ばれる心肺負荷をかけつつ心電図などで異常がないかを調べる検査を行い、その結果で考えましょうと説明があり、また走れるのだとわかった。この検査では、有酸素運動への切り替わる運動強度 = AT を計り、AT 以下の運動ならば OK ということになるらしい。つまり、CPX 検査で異常がなければ、AT 以下の運動 = ジョギングはできるということになる。当初 CPX 検査は退院後1ヵ月後に設定されていたが、早めに検査をして、そうそうにジョギングを再開したいと考えて、無理を言って5日後に変更してもらった。

つづき: CPX 検査 - 心筋梗塞からのサブ3