心筋梗塞からのサブ3

心筋梗塞発作、ステント留置術後に、フルマラソンをサブ3できるかを綴るブログ

発作の日

その日、2021年4月2日金曜日は、オフィスで勤務した後、代々木公園に移動して Team MxK の練習会に参加した。この日は集中して仕事ができた記憶がある。

練習会のこの日のメニューは 2km x 3 で、自分はグループCで 3'45"/km 設定だった。この日までの2週間ぐらいは調子が上向きで、ラストのフリーでグループトップをとることもあった。また、時期としてシーズンの境目で、そろそろ練習メニューを見直そうなどと考えていて、この日はその節目となる日と捉え、良いイメージを作っておくために、グループトップをとるためなら、100% 追い込むことを決めていた。

練習は順調に進み、ラスト 1km でフリーとなった直後、他のランナーがペース変化させたがそれにきちんと反応でき、トップより少し後ろで様子を見ながらじわじわとペースをあげていき、最後は (たぶん) グループトップをとることができた。最後の 80m ぐらいで酸欠で腕が少し痺れる感触があり、これは練習では珍しいので、いつもより追い込んでいたのかもしれない。ラスト 1km は 3'24" だった。

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その後、ランニング仲間とシャワーを浴びた後に自宅に向かったが、帰宅途中、背負っているリュックが異様に重たく感じ、そのうちに背負っていられなくなって手に抱えて移動していた。あとから思えば、これが異常の始まりだった。電車の車内でも、肩が凝っているし、食道あたりが違和感あるので、風邪かコロナかもしれないと思っていた。自宅の最寄り駅に到着した時には、相当体調が悪いとは思っていたけど、足は動くのでいつもどおり階段を駆け上がったところ、胸が強く痛みだした。改札を通過して、駅からしばらく歩いたところで、痛みが尋常ではなくなりうずくまってしまった。妻に電話して、迎えに来てもらうことした。妻が来たら一緒に病院に行こうと思っていた。

10 分ほどで妻が到着し、タクシーに乗り込み、運転手に「救急やっている病院に行きたい」と告げたら、「救急車を呼べ」と言われて乗車拒否されてしまった。しかたなく自分で 119 して、救急をやっている病院を尋ねてみたが、教えてくれない。救急車出動するか尋ねられたが、大丈夫だから要らないと断ってしまった。

この様な状況で、すぐには救急車を要請しなかった。少し痛みが収まったので、自宅方向に歩き出したが、途中で再び激痛となりうずくまってしまった。それを見ていた通りすがりの男性と妻に説得されて、ようやく救急車を要請した。救急車到着時には症状が収まり、ストレッチャーに載せられた後は症状が悪化することはなかったので、自分では食道炎ではないかと考え、救急隊員に「お騒がせして申し訳けない」と思っていた。病院に到着後も自分は食道炎かなにかだと考えていたが、血液検査で心筋梗塞の反応が認められ、ICU で経過観察となった。翌朝、カテーテルによる検査、梗塞が見つかれば手術ということになった。

手術では左冠動脈の 6 と 8 と呼ばれる場所の間で血流がほとんどないことがわかり、バルーン療法を行い、ステントを留置することになった。手術後の心臓の動きは良好で、梗塞によるダメージはほとんどなく「かすり傷程度」とドクターから説明を受けた。この後1週間ほど入院となった。

手術となった時には、心筋梗塞ならばランニングはもうできないかも、と頭をよぎり、実際に心筋梗塞とわかった時には、もう走れないと絶望した。しかし、手術後にドクターから、「CPX 検査」と呼ばれる心肺負荷をかけつつ心電図などで異常がないかを調べる検査を行い、その結果で考えましょうと説明があり、また走れるのだとわかった。この検査では、有酸素運動への切り替わる運動強度 = AT を計り、AT 以下の運動ならば OK ということになるらしい。つまり、CPX 検査で異常がなければ、AT 以下の運動 = ジョギングはできるということになる。当初 CPX 検査は退院後1ヵ月後に設定されていたが、早めに検査をして、そうそうにジョギングを再開したいと考えて、無理を言って5日後に変更してもらった。

つづき: CPX 検査 - 心筋梗塞からのサブ3